香水は一種の洗脳だと思う

年を重ねると以前は関心の薄かったものに対して興味が沸く、そして寧ろ好きになる、
という気持ちがここ数年でわかるようになった。

一般的なコスメに興味が湧きはじめたのは中学三年生の秋だった。
父の仕事で香港に引っ越し、編入したのがメイクもピアスもどんとこいなインターナショナルスクールだった事で初めてメイベリンのマスカラに手を伸ばして以来、
社会人の今では高島屋3Fコスメフロアのまあまあな太客と化している。

かく言う私も香水にはあまり興味がなかった。
「良い香りで少しテンションが上がるな~」位のもので、
毎日つけるルーティーンも無かったし、
無かったら無かったで困らない、くらいのものだった。
昨年までは・・・

きっかけは今回の始めての転勤だったと言っていい。
慣れない一人暮らし、慣れない土地、慣れない職場で縋れる何かが欲しかったのだと思う。
高島屋のコスメフロアをふらふらと歩いていた時に通りがかったフレグランスエリアで、
衝動買いしたクロエの香水を買った時に気づいた。
《これは良い洗脳になる》
不安な気持ちを一瞬でマインドコントロールして自信が回復するような、
纏う香りそのものによって違う人格になれるような威力がある気がした。

それから私は月一くらいで高島屋のフレグランスエリアに訪れ(念のため、私は高島屋の回し者ではない。近くにあるデパートが高島屋しかないのです)、なりたい気分に合わせた香水を購入している。
クロエに始まり、ブルガリ、ディオール、ティファニー等色々使ってみたのだけれども、
最近の一番のお気に入りはペンハリガンのルナ。(下記写真参照)
元々ギリシャ神話が好きなことも相まって
太陽と月どっち派と聞かれたら間違いなく月派だったこともあり
(神秘的だし、「ルナティック=狂気の」という言葉がある時点でダークファンタジー感があって好き。根が厨二で止まっているという自覚はある)
名前からして「何それ好き!」というテンションだった上に、
見た目も無色透明ではなく月明かりみたいに青白く透き通っていてイメージ通り、
そして何よりも香りが良かった。
ビターオレンジのトップノートは、ただのオレンジのあまいジューシー感ではなく、
ほろ苦いオレンジピールを思わせる。
あ、ダークチョコレートと合わせると美味しいオランジェットが出来そう、って香り
次のミドルベースに控えているのが邪魔しすぎないジャスミンとローズで、
ラストは優しげなウッドノート。

この香りをつけてると穏やかで静かな気持ちになれる。
仕事の時はこの香りか、「清潔感と上品を詰め込みました!」って感じのブルガリのオムニアクリスタリン。
大事な商談とか発表ある時には大体オムニアクリスタリンで、
平穏で優しい気持ちで仕事を捌きたい日はルナ。

別につけなくても死なないんだけど、
着けてると防御力が上がって自分自身を洗脳できた気になる。

長くなったので他の香りに関してはまた今度。

おやすみなさい。




A Moment along with An eternity

1度の出会い、1冊の本、1本の口紅、 1杯の紅茶を丁寧に愛したい

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